飯野健広ギターコンサート イン アルゴグラフィックス北見

 

2月17日夜はクラシックギターのコンサートを見てきた。アルゴグラフィックスという3ヶ月前にオープンしたカーリング場が会場だった。奏者は飯野健広氏。北見工業大学四年生(来月卒業)学生ギターコンクール大学生の部一位のほか幾多の受賞歴を誇る新鋭だ。

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プログラムは「いわゆるクラシックはあまりやらない」という本人の言葉通り、ブローウェルなどの現代曲がメイン。『魔笛の主題による変奏曲」が唯一の古典だった。

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ブローウェルの「舞踏と礼賛」から始まった演奏は、さすが3歳から始めた人らしく、音楽的にも技術的にも破綻のない安定した演奏だった。22歳と言う若さも手伝ってか早めのテンポ、広いダイナミックレンジ、大胆な音色の変化。まるで峠を攻めるクルマに乗っているような心地よいドライブ感が魅力の演奏だった。

古典の「魔笛〜」はキチンと序奏付きで演奏されたが、5つある変奏部のリピートはすべて省略されていた。やはりあまり興味のない分野なのかも知れない。

全体を通してひとつ気になったのは低音の弱さ。親指は、ほぼすべてアルアイレ奏法で弾いてるように見えた。そして音色から想像するに、親指の爪は使わないで弾いているのではないかと思った。柔らかい音色が好みなのだろうか。

低音があまり聞こえないので和音の進行がその土台を失い、まるで宙をさまようように聴こえた。そう言う効果を狙っての事なのだろうか。

飯野氏は春には某大学院に進みテクノロジーを利用したギター習得のメソッドを構築する研究をするとのこと。才能ある若者の将来が楽しみである。