顔面神経麻痺になった。

4月16日午後21:50分ころ、歯を磨いて鏡に写った自分を見て違和感があった。試しにニヤッと笑ってみたら唇の形が歪んでいる。まずいな、と思った。筋麻痺かも、よくて顔面神経麻痺、悪ければ脳血管障害だなと思いすこしビビる。

夕飯は普通に食べれてた。ご飯も口から漏れず汁物も飲めた。聴覚も平衡感覚も正常で手足も動く。ウクレレも弾ける。症状は顔面だけでしかも額の皺の消失も見られたので運が良ければ末梢性の顔面神経麻痺かなと思いすこし安心した。顔面神経麻痺は中枢性と末梢性の2種類あるが、見た目の症状が重い方が末梢性で、病状は軽いのだ(解剖学と病理学を3年学んだのでこの辺りはすこし詳しい。) しかし所詮素人判断で、そのまま寝るわけにもいかなく、夜間救急センターに電話した。救急センターは内科専門ということで脳神経外科病院を紹介され電話してみた。幸いにも診察してもらえることになり22:15分ごろクルマで向かった.症状が悪化した時に備えて娘にサブドライバーとして同行してもらった。即入院となれば今夜は家には帰れないと言う可能性も考慮していた。

問診と、機能検査のあと、人生初のMRI検査を受けた。音が大きくてうるさい検査だと聞いていたが思ったほどではなかった。終わりの方は不覚にも寝ていた。結果、脳血管には異常なし。脳腫瘍もなく、初期の末梢性の右側顔面神経麻痺であろうと診断された。とりあえず家には帰れる。翌日の受診を指示されクスリをもらって深夜1:30帰宅。最悪の事態は避けられたので安堵しながら寝ることができた。

 


4月17日2日目

翌日起きるとすこし悪化しているように思えた。症状は、口をすぼめる口輪筋と、外側にひっぱる笑筋や口角下制筋、おでこの前頭筋等の麻痺が進行したような気がする。懐かしい解剖図鑑で確認した。顔がすこし歪んでいる。せっかくの美男子が台無しである(笑)

ただ、脳に異常がないのが救いだ。脳が元気なら知的活動に影響ない。(実際に知的活動しているかどうか疑問の余地があるが(笑))まだ人生が楽しめる。四肢も大丈夫なので音楽も続けられるしスポーツもできる。これはありがたい。不幸中の幸いである。治るまでは女の子を口説くことが出来なくなるかもしれないが、どうせ歳だし、元々モテないのだから関係ない(笑)まして顔面神経麻痺の治癒率は7から8割程度。なんとか治るだろう。

口元が不自由ですこし食べ辛く、喋りづらい。抗ウイルス剤、ステロイド剤、ビタミンB、点眼薬、顔軟膏を処方されている。眼のクスリは、瞼が閉じ切らないので結膜の乾燥を防ぐ必要があるのだ。寝るときは瞼が開かないよう瞼にテープを貼り付ける(笑)

 

4月18日3日目。

朝は、スターバックスでコーヒーとドーナツを食べてゆっくり過ごす。

症状は変わらず。クスリを飲み安静を心がけて過ごす。

顔面神経麻痺は、事故や怪我による神経損傷を除けば、ヘルペスウイルスが原因だと考えられている。ウイルス自体は普段は共生しているものなのだが、なんらかの原因(ストレス等)で免疫が低下したときに活性化して神経を攻撃する

。攻撃された神経は骨のトンネルの中で腫れ上がり、圧迫され機能が低下する。その結果麻痺が出現するのだ。

治療は抗ウイルス剤でウイルスを叩き、ステロイド剤で神経の腫脹を取り除き、ビタミンBで神経の損傷を改善する。

あとは動かなくなった筋肉の血行を改善するための温熱療法、マッサージ等である。

 

4月19日4日目  症状は変わらず。

受診する。主治医が不在で院長の診察を受ける。主治医より楽観的な診たてだ。こちらも拍子抜けした感じになった。とりあえず次の受診は一週間後、すこしラクになった。

元気なようでやはり歳なのかなとも思ったが、調べてみるとこの病気には年齢による発症差はなく、歳のせいではないとわかりすこし慰められた。

来月のワイン講習会にはぜひ参加したいなぁ。